H2:施工前の状態|Before
お客様は長野県まで出向き、大切に選ばれた無垢材テーブル。
しかし、長年の油処理や漆の劣化により、美しい木目が失われていました。
表面の黒ずみ
くすみ、艶引け
漆と油の混在による密着不良
キズ・汚れが目立つ状態画像
Before(全体)/画像

( before-01 画像)

Before(アップ)画像


H2:施工開始(下準備)
まずは工房での作業が安全かつ正確に行えるよう、
テーブル全体をしっかり養生します。
マスキング
天板の取り外し
作業台への固定
必要に応じて脚の保護
養生・準備・施工開始
(マスキング・既存塗料の落とし)画像


H2:施工中の様子(研磨・調整)
今回のテーブルは古い漆と油が重なっており、
下地を整えるため慎重な工程が必要でした。
旧塗膜の除去
サンディング(粗→中→仕上げ)
木肌の平滑化
蝶型継ぎ手(チギリ)も丁寧に再生
サンディング(全体)
(sanded-01)画像

サンディング後(アップ)
(sanded-detail)画像

H2:仕上げ工程(塗装)
漆からウレタンに変更するため、
専用の密着工程を経て塗装を行います。
下塗り
中塗り → 研ぎ
上塗り(高耐久2液ウレタン)
?? 仕上げ(塗装中)
(塗装工程の写真)
H2:施工後|After
素材本来の木目が美しく浮かび上がり、
深みのある艶と高級感が戻りました。
After(全体)

(after-01)画像

After(アップ)

H2:お客様のご感想
「ここまで綺麗になるとは思っていませんでした。
長野まで行って買った思い入れのあるテーブルなので、本当に嬉しいです。
まるで新品みたいですね。」
H2:担当者より
漆や油処理を含む木材は、再塗装が難しい素材です。
適切な下地処理と塗装工程を行えば、
無垢材本来の“木の生命力”は必ず蘇ります。
H2:同じお悩みの方へ
無垢材テーブルに“油処理”や“DIY”をされる前に、ぜひ一度立ち止まってください。
これは、長年この仕事をしてきた職人として、どうしてもお伝えしたいことです。
油処理は、確かに一時的にツヤが出たり保護されているように見えます。
しかし実際には、
無垢材にとって最も厳しいダメージを与えてしまう処理の一つ なのです。
- 油の酸化で黒ずみが進む
- ヤニと反応して固まり、密着不良を起こす
- 下地まで深く入り込み、除去に膨大な手間がかかる
- 適切な再生には「完全剥離」からやり直す必要がある
今回のテーブルも、
美しく甦らせるまでに約1ヶ月の工程が必要でした。
決して1日・2日で仕上がる種類の作業ではありません。
「買って間もない大切な家具が、もう再生できない状態になる」
そんなご相談を毎年たくさん受けてきました。
だからこそ、どうか…
“安易なDIYは本当にやめてください”
無垢材は、思っている以上に繊細で奥深い素材です。
もし黒ずみやくすみ、劣化が気になりましたら、
焦らずに、まずは専門の職人にご相談いただくのが一番の近道です。
大切な家具ほど、
丁寧に手をかければ、必ず甦ります。
そしてそれが、私たち職人の役目です。
どうか同じ後悔をされる方が少しでも減りますように。

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