世田谷区のお客様より、木製玄関ドアの再塗装をご依頼いただきました。
今回の玄関は、ドア本体の両側と欄間に、細かな装飾が施された格子が取り付けられています。見た目にも美しい造りですが、格子の一つひとつに古い塗膜が残っているため、再塗装には非常に細かな作業が必要でした。
そこで、欄間を含む格子5枚をすべて取り外して弊社工場へ持ち帰り、細部まで時間をかけて再生しました。ドア本体と枠は現地で施工し、玄関全体の色と艶が自然に揃うよう仕上げています。
施工前の木製玄関ドアと格子の状態

現地調査で確認した施工前の木製玄関ドアです。
ドア本体は直線を基調とした重厚なデザインですが、両側と欄間には細かな格子が取り付けられています。玄関全体の美しさを取り戻すには、ドア本体だけでなく、複雑な格子の内側まで丁寧に施工する必要がありました。

年月の経過とともに塗膜全体が劣化しているため、傷んだ部分だけを補修しても、周囲の古い塗膜から再び剥がれる可能性があります。
劣化した塗膜の上に新しい塗料を重ねても、下の塗膜ごと剥がれてしまいます。施工後の耐久性と余分な費用を考え、古い塗膜を全体的に除去してから再塗装する方法をご提案しました。

今回のドアでも、特に雨水や湿気の影響を受けやすい下部に、塗膜のひび割れや剥がれがはっきりと確認できました。
一方で、他業者による不適切な補修や、お客様ご自身による塗料・ワックスなどのお手入れは行われていませんでした。そのため、既存の状態を正確に確認しながら、素材に合わせて再塗装を進められる状態でした。
格子5枚を取り外し、開口部へ仮板を設置
今回は作業場所が限られているうえ、格子の構造も非常に複雑でした。現地だけで細部まで塗膜を除去し、十分な乾燥時間を確保することは難しいため、欄間を含む格子5枚を取り外して工場で施工することにしました。


この仮板は、長年一緒に仕事をしてきた大工仲間に製作してもらいました。翌年に他界しましたが、彼から教わった技術と経験は、現在の弊社の替え扉製作にも受け継がれています。

大工さんに各開口部の寸法に合わせた仮板を製作してもらい、格子を取り外した5か所へ設置しました。施工期間中もお客様が安心して玄関を使用できるよう、防犯面にも配慮して固定しています。
工場で格子の古い塗膜を除去し、木地から再塗装
取り外した格子5枚は弊社工場へ持ち帰り、古い塗膜を一か所ずつ丁寧に除去しました。
格子には細かな面取りが施されているため、力任せに削ると角や形状を傷めてしまいます。元の造形を残しながら、格子の交差部分や内側まで慎重に作業を進めました。

施工前の格子には、黒に近い既存塗膜が厚く残っていました。格子の一本一本には、正面と左右の側面を合わせた3つの面があり、細い縁には面取りも施されています。さらに、無数にある交差部分の内側まで塗膜が入り込んでいました。

格子の形を傷めずに無垢材の状態まで戻すには、広い平面のように機械で一気に削ることができません。小さな面や交差部分を手作業で繰り返し研磨するため、見た目から想像する以上の時間と根気を必要とします。
木製玄関ドアの再塗装は、ただ新しい塗料を塗る作業ではありません。美しい仕上がりと耐久性を確保するためには、古い塗膜を適切に取り除き、木地を整える工程に多くの時間がかかります。
丁寧に下地を整えた後、木目の見え方と玄関全体の色調を確認しながら、一工程ずつ塗り重ねました。複雑な交差部分にも塗りムラが出ないよう、細部まで確認しながら仕上げています。
格子5枚をすべて仕上げるまでに約10日間を要し、その後さらに約5日間の乾燥期間を設けました。複雑な形状の細部まで塗装し、十分に乾燥させることで、見た目だけではなく耐久性にも配慮しています。
現地でドア本体と枠を再塗装し、格子を復旧
工場で格子の施工を進める一方、現地では木製玄関ドア本体とドア枠の再塗装を行いました。既存塗膜を除去して下地を整え、工場で仕上げる格子と色・艶が自然に揃うよう、全体のバランスを確認しながら塗装を重ねています。
格子5枚の塗装後は、さらに約5日間の乾燥期間を設けました。ドア本体の塗膜も十分に乾燥させてから、お預かりしていた格子を元の位置へ戻しました。

木目の美しさと重厚感が蘇った木製玄関ドア
再塗装によって、暗く見えていた玄関ドアに木目本来の表情が戻りました。ドア本体・枠・欄間・左右の格子まで色調を揃え、玄関全体が自然に一体化するよう仕上げています。

左の画像は、長年にわたり雨・風・紫外線を受けてきたドア外側の再塗装後です。右の画像は、雨風の影響をほとんど受けていない、YAMAHA製造時の色合いが残るドア内側です。
両面を見比べていただくと、傷んでいた外側にも木目の美しさと深みが戻り、メーカー製造時の内側と比べても見劣りしない仕上がりになったことがお分かりいただけると思います。
弊社では、ただ濃い色を塗って傷みを隠すのではありません。古い塗膜を適切に除去し、木の状態に合わせて色を整え、木目を生かしながら塗膜を重ねます。これは、家具塗装と木製玄関ドア塗装に長年携わるなかで、研究と改良を重ねてきた弊社独自の施工方法です。

ドアの内側(YAMAHA で作成された時の色合い)
長い年月を重ねた木製玄関ドアが、再び美しい姿へ

こちらは、新しい玄関ドアへ交換したのではありません。
長い年月、ご家族を迎え、見送ってきた同じ木製玄関ドアです。古い塗膜を取り除き、傷んだ木地と向き合い、格子の一本一本まで手を掛けることで、木が本来持っていた美しさと重厚感が再び姿を現しました。
再塗装とは、年月の跡をただ隠すことではありません。その玄関ドアが持つ素材の魅力と、造られた当時の職人仕事を大切に受け継ぎ、これからも長く使い続けられる姿へ戻すことだと、私たちは考えています。
手間も時間もかかる仕事ですが、最後にこの姿を目にすると、それまでの苦労がすべて報われます。これが、東京ホームペイントが長年こだわり続けてきた木製玄関ドア再塗装です。
お客様から「技術というより芸術ですね」とのお言葉
「これは、技術というより芸術ですね。本当に素晴らしいです」
「私が想像していたよりも何倍もきれいにしていただき、本当にありがとうございました。これからも大事にします」
施工完了後のお客様より
こちらこそ、長い施工期間にわたりお待ちいただき、誠にありがとうございました。工事中はお客様にもご不便をお掛けしましたが、いつも温かくご協力いただいたことで、私たち職人も最後まで納得のいく施工を行うことができました。
工事開始から完成までは約1か月半。時間をかけて仕上げた玄関ドアをお客様に喜んでいただけたことは、施工に携わった職人にとって何よりうれしい瞬間でした。
世田谷区および近郊で木製玄関ドアの再塗装をご検討の方へ
今回の木製玄関ドアは初めての再塗装であり、他業者による不適切な塗装や、お客様ご自身による補修が行われていなかったことも、美しく再生できた大きな理由の一つです。
過去に木部へ適さない塗料が使用されていた場合や、強く削られて木地が傷んでいる場合は、同じような仕上がりにならないことがあります。傷みが進行する前に、木製玄関ドア塗装の経験を持つ専門業者へ相談することが大切です。
東京ホームペイントでは、世田谷区をはじめ東京都内および近郊地域で、木製玄関ドアの状態と素材を確認し、それぞれのドアに適した施工方法をご提案しています。
木製玄関ドア再生塗装・施工実績の全体案内(親ページ)はこちら
木製玄関ドアの再塗装をご検討の方は、現在の状態が分かる画像と、おおよその寸法を添えてお問い合わせください。内容を確認したうえで、施工の可否や今後の進め方についてご案内いたします。